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2006/04/25

パリ・オペラ座バレエ「白鳥の湖」鑑賞

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★2006年4月22日(土)18:30開演 東京文化会館大ホール5階席にて鑑賞

オデット/オディール:マリ=アニエス・ジロー
ジークフリート王子:ジョゼ・マルティネス
家庭教師ヴォルフガング/ロットバルト:カール・パケット
王妃:ナタリー・オーバン
パ・ド・トロワ:エミリー・コゼット、ドロテ・ジルベール、エマニュエル・ティボー
4羽の大きい白鳥:エミリー・コゼット、オーレリア・ベレ、ローラ・エッケ、ローレンス・ラフォン
4羽の小さい白鳥:ファニー・フィアット、マチルド・フルステー、ジェラルディーヌ・ウィアール、ミュリエル・ズスペルギー

音楽:ピョートル・I・チャイコフスキー
振付・演出:ルドルフ・ヌレエフ(プティパ、イワーノフに基づく)

ヌレエフ版の「白鳥の湖」を観るのは初めてでした。ぜいぜい言いながら5階までのぼり(いい加減、エレベーター作ってくれい!悔しかったらS席買えってことですか、そうですか=_=;)席につきました。
ヌレエフ版には、プロローグがあり、幕が上がると下手側に椅子に腰掛けたまままどろむ王子がいます。舞台中央には人間の姿のオデットがおり(王子の見る夢という演出なのかも)舞台上をウロウロしていると、ロットバルトが現れ、その長いマントにオデットを巻き込みオデットを白鳥の姿(というかモップ人間)に変えて一緒に空へ飛び去ってゆきます。いかにも、不安な先行きを暗示しているといった感じでした。
その後は通常通りの王子の誕生パーティーです。そばにいる家庭教師は、他の作品に良くある、人の良さそうな老人ではなく、忠実な腹心を装いながら、実は腹に何か抱えていそうなクールな外見の男です。王妃に結婚を促されて落ち込む王子をそれが王族の務めですからと諭すような人物です。
ジョゼは、本当に立ち居振る舞いが王子様でした。マザコンというより少し大人でしたが。踊りも素晴らしく伸ばした足先に見惚れてしまいました。
パ・ド・トロワでは、やはりドロテに目がいってしまいました。彼女は本当に華があると思います。エミリーの踊りは元気一杯という印象でした。ティボーくんも元気にクルクル踊っていました(^^;)
ヌレエフ版は、やはり振付が難しそうですね。コール・ドのみんながとても忙しそうに見える場面が多数でした。
そして、ヌレエフ版ならではというか、王子のソロも結構ありました。人々が退場してから王子のソロがあるのは良くあると思うのですがヌレエフ版ではその後家庭教師とのちょっと怪しげなパ・ド・ドゥもありました。これは、家庭教師=ロットバルトの暗示なのでしょうか。

2幕で登場したオデットのマリ=アニエスは、正直、上半身がごつくてクラシックチュチュが辛いかなぁと思ってしまいましたが、そのうち、慣れてきて大柄な2人がとても舞台栄えして見えてきました。それに、しっとり女らしいオデットでした。
コール・ドは、ちょっと足音が気になることもありましたが、隊形などはとても美しかったです。

オディールのマリ=アニエスは、堂々としていて女王のようでした。やっぱりオディールの方がしっくりくるかなぁ…。アダージョもヴァリエーションもとても良かったです。コーダもダブルを織り交ぜて豪快に回ってくれたのですが、最後の決めのところでちょっとよろけてしまったのが実に残念でした。それまでは完璧と言っていいくらいでしたので。ジョゼは、言うまでもなく美しかったです。
私は普段、民族舞踊(特にチャルダッシュ、マズルカ)が退屈だなぁなどと思ってしまう方なのですが、ヌレエフ版ゆえになのか、とても忙しい振付で、意外なことに(?)それがとても楽しかったです。チャルダッシュでは藤井美帆さんが楽しそうに踊っていました。藤井さんは、キャスト表によれば、2幕の白鳥にもクレジットされていたのですが、舞台が薄暗いせいもあり、オペラグラスをもってしても見つけることが出来ませんでした。

そして、またまたヌレエフ版には、ロットバルトが良くからんできます。アダージョは、パ・ド・トロワ状態でしたし、コーダの直前にはロットバルトのソロが…。このソロがとっても素晴らしかったです。悪の化身らしくクールでシャープで。パケット、ブラボーーーーでした。
そして、悪魔のたくらみ通り、オディールに愛を誓ってしまう王子。その瞬間、全てが崩れ去ってしまいます。
たいていの「白鳥の湖」は、3幕の最後、王子はオデットの元へ走り去り、残された王妃らが嘆き悲しんで幕、というパターンがほとんどだと思うのですが、ここでは、王妃に泣きついた王子がそのまま倒れこんで幕、でした。
この公演は、1・2幕と3・4幕の間に1度だけ休憩があるだけなので、すぐに4幕に突入でした(テンポはいいけど、腰が、腰がぁ~~へ~;)幕が上がると、そこにはまだ王子が1人きりで倒れこんでいます。そのうち、コール・ドの白鳥達が登場すると、王子は、その中から必死にオデットを探そうとし、いないと分かるとオデットを求めて退場していきます。
その後は、普通にコール・ドの踊り。やはり、隊形などがとても綺麗で、上から見ていると花が咲いているようでした。

オデットと王子の悲しみのパ・ド・ドゥも素敵でした。王子は心から後悔しオデットに許しを乞いますが、たとえオデットが許したとしても、運命はどうしようもないのです。オデットが人間に戻れるチャンスは永久に失われてしまったことに変わりはないのですから。
ここで、他の版のアンハッピー版は2人で心中し、悪魔の呪いを打ち破り、天国で結ばれるというある種のハッピーエンドのような演出ですが、ヌレエフ版は、さらに救いがなく、悪魔に戦いを挑んだ王子が結局悪魔に勝つことができず、1人もだえ苦しむ中、ロットバルトがプロローグと同じようにオデットをモップ人間にして空へと連れ去ってしまいます。それを見た王子が、一瞬手を空に伸ばしドライアイスの湖の中で息絶えてENDでした。

観る前は、救いようのない結末というのを聞いた時、ちょっと…なぁ、などと思っていたのですが、観終わってみるとこれはこれで有りだなぁと考えが変わっていました。ロットバルトがかっこよかったせいもあるかもしれませんが(^^;)悪魔の呪いですから、一度約束を破った者が、そう簡単に呪いを打ち破ることなんて出来ないですよね、きっと。
滅多に見ることのない演出と、素晴らしいオデット/オディール・王子・ロットバルトを観る事ができて、大変満足でした、ごちそうさま(⌒▽⌒)




フォンティーン&ヌレエフ主演、ウィーン国立歌劇場バレエの「白鳥の湖」。これもヌレエフ版です。

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パリオペラ座バレエと街歩き会場で売っていたので思わず買ってしまいました(^∇^A; 何しろ、表紙がルグリ、マチュー、ジローですから。裏表紙には、ミリアム、エレオノーラ、モロー、ペッシュがいます。中身は、オペラ座ダンサー10人のインタビューとオペラ座の紹介とレストラン等の紹介です。文庫サイズなので持ち運びしやすいのが良いです。文庫サイズながらもセミハードカバー。カラー写真多数です。インタビューの10人は表裏表紙の7人の他にローラ・エケ、ジョジュア・オファルト、セバスチャン・ベルトーです。

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コメント

TBありがとうございました。
JOLLYさんのページは、とてもためになるので、私も良くのぞかせていただいています。
ベラルビ、私も楽しみにしていたので残念だったのですが、パケットがとても良かったので、思わぬ拾い物をしたような気持ちです。
また、観てみたくなりますね。

投稿: ミキ | 2006/04/26 00:16

はじめまして。
同じ公演を見ていたのでTBさせてもらいました。
私もヌレエフ版は、これがはじめてだったのですが、
思った以上にツボにハマりました。
救いがないのに、何度もみたくなる感じです。

投稿: JOLLY | 2006/04/25 20:10

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